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オフショア開発が抱える問題|言葉の壁とは

2021/06/04

オフショア開発(offshore development)とは、システム・アプリ開発の業務などを海外の開発会社や海外子会社に委託することです。

 

開発のすべてを海外で行うというより、プログラミングやテストなど、工程の一部を海外の子会社やIT会社に委託することが多いです。

 

オフショア開発の大きなメリットは「コスト削減」と「IT人材の確保」です。

しかし、同時にデメリットも存在します。そのひとつが「言葉の壁」です。

 

今回は、言葉の壁によるトラブルやそれを超えるオフショア開発のメリット、オフショア開発導入の際に押さえておきたいポイントについて解説します。

 

 目次 

● 言葉の壁が引き起こすトラブル

 ▶️ コミュニケーションをとるのが難しい

 ▶️ 文化の違い = 認識の違い

● オフショア開発には言葉の壁を超えるメリットがある

 ▶️ 最大のメリットは「コスト削減」

 ▶️ IT人材不足を解消できる

 ▶️ 優秀な人材を低コストで削減できる

● オフショア開発を導入する際に押さえておきたい3つのポイント

 1. 要求仕様書には必要なことを明確に記載する

 2. 進捗管理はこまめに行う

 3. 時差や休日を確認する

● まとめ

 

|言葉の壁が引き起こすトラブル 

国内での開発においても、認識や考え方の違いによって行き違いが生じるといったトラブルは後を絶ちません。

異なる言語を使用する者どうしであれば、なおのことでしょう。

言葉の壁があると、どのようなトラブルが発生するのか、具体例を2つ挙げます。

 

・コミュニケーションをとるのが難しい 

契約の締結までは現地の日本人スタッフなどに通訳を依頼するなどして進められたとしても、開発段階になると、現地のエンジニアと直接やりとり

しなければならないことがほとんどです。

 

自社のエンジニアが英語に苦手意識を持っていたり、現地のエンジニアが母国語しか理解できなかったりすると、スケジュール通りに開発を進める

ことが困難となります。

 

・文化の違い = 認識の違い 

言語が異なるということは、文化も異なるということです。これはビジネスにおける考え方の違いも含みます。

日本では常識だと思われていることや、暗黙の了解で進められていることも、海外では通用しないことが多いものです。

 

たとえば、海外エンジニアは、仕様書に書かれていないことは基本的に対応しません。

「この機能テストでは、こういうテストも含めて行うのが基本だろう!」と詰め寄っても、「テスト仕様書には書かれていない」と一蹴されることは

多々あります。

 

|オフショア開発には言葉の壁を超えるメリットがある  

上述のように、言葉の壁は、システム開発を行う上で大きな手間やトラブルを誘発する可能性があります。

 しかし、オフショア開発には、そういったデメリットを上回るメリットがあるのも事実です。

 

・最大のメリットは「コスト削減」

海外で開発を行う最大のメリットは、現地の人件費が国内に比べてかなり安いことです。

開発費の大部分は人件費といえるため、この人件費を抑えることができれば、コスト削減に大きく貢献します。

 

・IT人材不足を解消できる 

昨今の少子化の影響もあり、IT業界の人材不足は深刻な状況です。

人材が確保できなければ、迅速な開発は実現できません。

 

もし、海外の人材を利用するにしても、国内に駐在させた上での作業となれば、別のコストが発生します。

 

その点、現地でのオフショア開発は、コストを抑えた上で人材を確保できる最適の手法といえます。

 

・優秀な人材を低コストで確保できる 

日本と比べて人件費が安くなるとはいえ、現地では、ITエンジニアは他の職業に比べて好待遇であることが多いです。

そのため、現地のIT会社には、激しい競争を勝ち抜いてきた優秀なエンジニアが多く集まってきます。

 

また、世界を相手にするIT会社であれば、実績もさることながら、社員の教育環境をしっかり整えています。

 

自社に雇い入れてゼロから教育するより、はるかにコストがかからないこともメリットといえるでしょう。

 

|オフショア開発を導入する際に押さえておきたい3つのポイント 

オフショア開発には、言葉の壁によるデメリットと、それを超えるメリットがあります。

 デメリットを少しでも小さくするために、押さえておきたいポイントを把握し、オフショア開発を導入する際に活かしましょう。

 

 1. 要求仕様書には必要なことを明確に記載する 

オフショア開発では、依頼する作業について、細かい部分まで記載した要求仕様書を作成することが欠かせません。

 

仕様書はプロダクトの成功を握る鍵でもあります。

ここにきちんと明確に詳細を記載することで、求める成果物を得られます。

 

書き方のポイントとしては、仕様書に記載する内容に対する意識を変えることです。

 

日本では「○○をテストするといえば△△のテストも含むのが当たり前」という感覚で、普段では記載しない部分を、

「○○と△△をテストする」と明確に書く、といった意識を持つことが大変重要になってきます。

 

また、成果物に付随するドキュメントなどについても「どのような項目を、どのようなフォーマットで書くのか」まで提示しておくと、

期待したものと大きく外れることはないでしょう。

 

▶️ 資料ダウンロード:仕様書の書き方のポイントや事例、作成ツールをご紹介!

specification document

 

 2. 進捗管理はこまめに行う 

日本では、「納期は絶対守らなければならないもの」という認識が一般的ですが、海外ではそうともいい切れません。

納期を守るために残業するといった考えがない国も少なくないのです。 

 

そのため、進捗管理はこまめに行うことが重要です。

 

できるだけ早い段階で問題を明確にすることが、進捗の遅れを最小限にすることにつながります。

少なくとも、毎週末あるいは毎週明けに、進捗確認を兼ねたオンラインミ会議を実施し、Face to Faceで進捗だけでなく、

トラブル発生の有無を確認することをおすすめします。

 

 3. 時差や休日を確認する 

海外との仕事で忘れてはいけないのが、時差や休日の違いです。

電話連絡や会議時間の決定の際は、相手国との時差や休日を考慮することを忘れないようにしましょう。

 

また、スケジュールを立てる際には、相手国の長期休暇の有無も確認し、スケジュールに組み込む必要があります。

 

|まとめ 

オフショア開発の秘訣は ”お互いへの理解を忘れないこと” 

 

オフショア開発における言葉の壁は決して小さくありませんが、トラブルを回避するためのポイントを押さえつつ、相手との文化の違いに理解を

持って対応していけば、乗り越えられないものではありません。

 

身近な人とのコミュニケーションと同じように、お互いへの理解を忘れないことが、言葉の壁を超える秘訣といえます。

 

▶️ 関連記事:オフショア開発を成功させるためのポイントについてわかりやすく解説!

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